サビアンとは、わかりやすくいうと、黄道十二宮、つまり私たちがおひつじ座、おうし座と呼んでいる地球をとりまくエネルギーベルト1度1度の意味にあたります。
マーク・エドモンド・ジョーンズによって発見され、「アメリカのダヴィンチ」と呼ばれた哲学者ルーン・ルディアによって解明されたこの新しい占星術は、従来の惑星と惑星との角度(アスペクト)を中心とした見方だけではわからない、私たちが生きる日常の日々刻々と変わりゆくエネルギーについて占断を下すことを可能としました。
つまり、人生においては毎日会社が倒産したり大恋愛をしたりするわけではなく、人生の節目となるイベントがある一方で、ゆるやかに流れていく心理的な人生の経験や時間といった、より身近な現実の積み重ねこそが大半を占めているという真実――そこに着目し、より細やかかつ実践的にホロスコープを解読していく、それこそが360のサビアン・シンボルに基づくこのサビアン占星術の真骨頂と言えるでしょう。
サビアン・シンボル例
おひつじ座11度 | The ruler of a nation. (国の統治者) |
ふたご座19度 | A large archaic volume reveals a traditional wisdom. (大きな古代の書物が伝統的な叡智を開示する) |
しし座4度 | A formally dressed elderly man stands near trophies he brought back from a hunting expedition. (正装した中年男性が狩りコンペから持ち帰ったトロフィーのそばに立つ) |
さそり座2度 | A delicate bottle of perfume lies broken, releasing its fragrance. (洒落た香水の瓶が割れて、その香りを振りまいている) |
うお座23度 | A "materializing" medium giving a seance. (物質を空間から引き出す霊媒が降霊会をおこなう) |
私たち人類の中に、誰一人として考えながら生まれた人はいません。これは、とても重要なことです。なぜなら、ここから、ホロスコープとは思考が育つ以前に与えられた人生のプログラムであるという真理が導かれるからです。そして、このプログラムの中から、主たる働きをするサビアンを列挙したものが10の因子です。以下の表に各因子の特徴を簡単にまとめたので、参考にしてみてください。
一生や年間、月間のライフテーマを決める。 | |
個人や日常の現実の変化を物語る。 | |
思考力の課題を示す。 | |
恋愛や感情、心の全ての動きを知る。 | |
情熱や闘い、行動を示す。 | |
どう生きればいいか、その答えを与えてくれる。 | |
現実の最終的な結果を示す。 | |
インスピレーションや直感のひらめきを示す。 | |
精神的な進路を示す。 | |
新しい生き方への脱皮を物語る。 |
神智学協会在籍時にサビアンシンボルを知って以後研究を重ね、1983年、サビアン創始者マーク・エドモンド・ジョーンズの直弟子であるディーン・ルディヤーに後継者として認知された、まさに日本における「サビアン占星術の第一人者」。
著書の一つ『占星学教室 直居サビアン占星学 前世と今生』は、サビアン研究者のバイブルともいうべき一冊である。